曇り ときどき蝉の鳴き声

「ドット・フィッシュ」ーー両岸から見て川ーー
二枚の写真を1.6m×4mに伸ばし、向かい合うように
駅のエントランスに設置する。


大きな写真を近くからみると、ドットしか見えない。離れて見ると全体がよく見える。
そんな写真の中を地下鉄の利用者は、川のように流れていく。


「両岸から見て川」という意味は、川の本質は一方向からでは分からない、両方の岸から見て、始めてその川が分かるという意味です。


さらに写真を近くから見ると、ドット・フィッシュ(ドットで出来た情報魚)が書かれていて、その中に、あなたが向こう側の人に伝えたいメッセージ、作品の感想、名前、e-mailアドレスなどを書き込んでもらう。




書き終えたら、向こう側の写真に移動してみて下さい。時々立ち止まったり、前後の写真を見比べながら、移動してみて下さい。
(ドットに書き込まれた文字を読もうとおもうと全体が見えない。全体を見ようとすると小さなドットに書かれた文字は見えない、、、、。)


さらに、ドット・フィッシュを携帯で写真に撮って、ほんとうの旅に飛び出させてあげたい。あなたには飛んでいくドット・フィッシュの姿がきっと見えるはず、、、、、、。(なんて、)






あとあと、作品に関して質問された時の為に少し考えてみました、、、。
Q.今回のテーマは「エコ・メトロ」この会場のテーマは「触れることのできない自然」ですが
なぜ、このような作品になったのですか?
A.人間も自然です。そして、触れることの出来ない自然とは、僕のしらない向こう側の国の人と捕らえることもできるとおもいます。
今回のキーワードは川です。川は、僕達のあらゆるものを遮ってきました。例えば、国と国、村と村、ヒコボシとオリヒメなどです。子供の遊び場や釣り場として身近な川ですが、ひとたび暴れ出すと、いろんなものを一気に飲み込んでしまいます。そんな川の姿と、今回の展示の間をいきかう地下鉄の利用者(集団として動き始めた人間の狂喜というか行ない)をだぶらせてみました。「両岸からみて川」という意味にもあるように、川も人間も、その本質を見るのはなかなか難しいことです。さらにこれからの時代は、さまざまな人と共存していかなくてはなりません。国というくくりもどんどんボーダレスになっていくでしょう。
今回の作品は、見る位置(自分の立っている位置)によって作品の見え方は変わってきます。そのことを確認してもらえれば嬉しく思います。


もうひとつは、僕達の街に飛び交っている見えないデジタル情報(電波情報)を視覚化したいと思いました。
携帯電話の電波、メール情報、テレビやラジオ電波などなど、、、です。




Q.なぜ、ドット・フィッシュなのですか?鳥でも、他のものでもよかったのでは?
A.まだまだ川や海は、僕達にとって未知な領域です。そんな未知の世界の案内人としは、魚がベストなのではないでしょうか?あと、ドット・フィッシュという響きも気に入りました。




Q.作品としての完成度は低いように思いますが?
A.なるほど、それは僕が決めることではないので、真摯に受け止めさせていただきます。




Q.なぜこの二枚の写真なのでしょう?
A.東京のどこにでもある風景を選びました。夜の写真にしたのは、ドット・フィッシュが泳ぎやすいように海の中のイメージに近い写真を選びました。




Q.作品が少し「概念的」なようにおもいますが?
A.なるほど、、、。僕自身がとっても概念的なので作品が「概念的」になるのはしかたのないことかもしれませんね。(「」の中は変更可能、、、。)




Q.今後の展開や予定などは?
A.写真を撮ることで、さまざまな人と繋がり、さまざまな経験ができたので、決まっていることは東京にかえったらまた写真を撮るということだけです。そんななかで、いろいろな経験ができることを願っています。